僕がおこなっております名古屋大学超音波ガイド神経ブロック教育プログラムですが,密かに人気急上昇で問い合わせが多くなっています.まずは,所属施設の部長の許可を頂いた上でご連絡いただけたらと思います.その上で,プログラム参加時期の調整を行います.まだ僕一人で教育している状況なので,一定期間にお引受けするのは一人としています.僕の片腕となる人が現れるまでは,細々とやっていく予定です.
2011年6月2日木曜日
手作り経鼻エアウェイによるMIA (2)
Barry L Friedbergの手作り経鼻エアウェイは,その後,換気困難挿管困難なリウマチ患者さんに応用してみました.その患者さんは人工股関節置換術後すぐに股関節前方脱臼を起こし,緊急徒手整復術を受けることになったのです.前回の麻酔記録から換気困難と挿管困難が予測されました.ベット移動もままならない患者さんにY先生がストレッチャー上で大腿神経ブロックを行い,鎮痛を図りました.その後,ベットから手術台に移動.手作り経鼻エアウェイで気道を確保し,MIAで鎮静,徒手整復を行いました.下顎挙上もままならない患者さんだっただけに,手作り経鼻エアウェイの良さを実感できました.
何度かFriedberg先生とはメール交換していますが,僕と同じようにMIAを整形外科領域に使っている麻酔科医がアメリカに一人いるようです.
何度かFriedberg先生とはメール交換していますが,僕と同じようにMIAを整形外科領域に使っている麻酔科医がアメリカに一人いるようです.
2011年6月1日水曜日
Vibra, a先生!
6月1日をもって, a先生がチーム金曜日から去り,Surgical ICU勤務となります.彼がチーム金曜日に来たときから,平行法による超音波ガイド下腋窩静脈穿刺を体得してもらつつもりでした.最初から腋窩静脈穿刺を超音波ガイド下にするのは難しいので,まずは腰椎椎間関節ブロックで平行法による針先の描出能力の感を養ってもらっていました.椎間関節ブロックで椎間関節にブロック針を刺入できるようになったのを見計らって,腋窩静脈カテーテル挿入に挑んでもらいました.針先を描出できる能力を養ってきた彼は何の問題もなく,すんなりとやり遂げました.針先が静脈壁を貫通する時のTentingに対する対処にはコツがいりますが,針先さえ描出できれば安全に手技を行うことができるわけです.その後も食道外科手術で,自分一人で超音波ガイド下に腋窩静脈カテーテル留置をしている姿をみて,もうこれでチーム金曜日卒業だなと確信しました.また,集中治療からペインクリニックに戻ってきたら,一緒にチームを組めたらと思います.教えていないブロックがたくさんあるので・・・
超音波ガイド中心静脈カテーテル挿入で発言するチャンスが到来!
11月の臨床麻酔学会で,超音波ガイド下中心静脈カテーテルのことで話をする機会を頂けるかもしれません.僕は常日頃から鎖骨下(腋窩静脈)は,交差法ではなく,平行法で行うべきだと主張してきました.そのことをようやく公の場で主張できるのでうれしい限りです.今までの日本における鎖骨下でも交差法という風潮を一掃してしまうやも・・・.
手作り経鼻エアウェイによるMIA (1)
リウマチ患者で環軸椎亜脱臼,下顎の後退,開口障害も認める場合,まずもってマスク換気も難しくなる.少しだけのつもりで鎮静をしたら,後悔先に立たず状態に陥ったことがある人も多いのではないでしょうか?僕はプロポフォールとケタミンによる深鎮静:Minimally Invasive anesthesia (MIA)で末梢神経ブロックをします.当然,リウマチ患者さんもいるわけです.
MIAの考案者Barry L FriedbergMIAは口腔外科の日帰り手術でも,MIAを使用しています.僕自身はMIAで舌がん患者さんへの浅側頭動脈カテーテル留置の麻酔管理を気管挿管せずにたくさんやってきました.名古屋大学に移籍して,インプラント治療で全身麻酔がどうしても嫌という患者さんにMIAを使ったことがありました.浅側頭動脈カテーテル挿入では下顎を触ることはなかったので気道は上手く通りました.しかし,インプラント治療では,開口で下顎を押すと,気道を塞がれてしまうのです.市販の経鼻エアウェイを挿入してみましたが,その患者さんには合わず,結局,全身麻酔に切り替えました.
そこで,Barry L Friedbergに連絡を執りました.「あなたはインプラント治療で使っていると記載しているが,開口操作によって気道がふさがってしまう.どうしたらインプラント治療でMIAを使えるのか教えてください.」と質問をぶつけてみました.彼は本には記載していないコツがインプラント治療のMIAにはあることと教えてくれました.それが手作り経鼻エアウェイです.カフ無し気管チューブのサイズ5,6をお湯につけ軟らかくしておき,それを患者さんの鼻に突っ込んで,気道が通るところまで進める.チューブ先端の位置が決まったら,外鼻孔のあたりで気管チューブを適切な長さに切断する.そうすることで,すべての患者にあったエアウェイができ,MIAによるインプラント手術が可能となるわけです.
MIAの考案者Barry L FriedbergMIAは口腔外科の日帰り手術でも,MIAを使用しています.僕自身はMIAで舌がん患者さんへの浅側頭動脈カテーテル留置の麻酔管理を気管挿管せずにたくさんやってきました.名古屋大学に移籍して,インプラント治療で全身麻酔がどうしても嫌という患者さんにMIAを使ったことがありました.浅側頭動脈カテーテル挿入では下顎を触ることはなかったので気道は上手く通りました.しかし,インプラント治療では,開口で下顎を押すと,気道を塞がれてしまうのです.市販の経鼻エアウェイを挿入してみましたが,その患者さんには合わず,結局,全身麻酔に切り替えました.
そこで,Barry L Friedbergに連絡を執りました.「あなたはインプラント治療で使っていると記載しているが,開口操作によって気道がふさがってしまう.どうしたらインプラント治療でMIAを使えるのか教えてください.」と質問をぶつけてみました.彼は本には記載していないコツがインプラント治療のMIAにはあることと教えてくれました.それが手作り経鼻エアウェイです.カフ無し気管チューブのサイズ5,6をお湯につけ軟らかくしておき,それを患者さんの鼻に突っ込んで,気道が通るところまで進める.チューブ先端の位置が決まったら,外鼻孔のあたりで気管チューブを適切な長さに切断する.そうすることで,すべての患者にあったエアウェイができ,MIAによるインプラント手術が可能となるわけです.
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