2011年1月30日日曜日

超音波ガイド神経ブロックの教育法(2)

 僕のプログラムでは,超音波局所解剖,平行法,針の描出方法,鎮静法,全身麻酔に併用させるための流れ,mutimodal approachを教育するようにしています.しかし,もう一つ重要なものがあります.それはセンスです.
 センスとは何か?超音波画像は部位は同じでも,患者が違えば全く違います.解剖学的変異や生活習慣による筋肉や皮下脂肪の量が違うから,見え方が違います.僕は同じブロックをするにしても,患者毎に異なる超音波画像を見て,この画像であるなら針先をどこにもっていくべきか常に考えています.岩登りの人が,岩を登るときにどのルートから攻めるか,登る前に岩山を見上げながら考えているのと同じです.
 K先生が,少しずつであるが僕が考えている「ここに針先をもっていこう」という所に何も言わなくても針先をもってくるようになっています.彼のブロックのセンスが僕のブロックのセンスに近づいてきているのです.まだまだ違うこともあり,注意することがありますが,着実に近づいています.神経ブロックのセンスは教科書にも記載されていません.一緒にやっていくうちに体得していくものなのかも知れません.

2 件のコメント:

  1. 先生と一緒に麻酔をさせていただいた始めの頃、
    「違う!そこじゃない!」と、よく言われました。
    それは、針先であることもあれば、画像自体であることもありました。
    言われると、そうなのかな?と思いながら、何が違うんだろう?と教科書を見ても、よくわからず・・・という感じでした。

    「その画像では勝負できない」「その刺入点は違う」
    それは少しわかってきましたが、技術的に出来ません、ということが多いです。
    一緒に麻酔をさせていただいたからこそ、学べたことだなと思います。

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  2. AA先生
    それでも,いつの間にか技術的にできるようになっているんじゃないでしょうか?最良の画像をどうえるのかが重要です.先生が思っている最良画像より僕が描出する最良の画像のほうがよいときがあったですよね.結局は,ターゲットに垂直に超音波を当てているかどうかなんです.もっとも厚みにある切り口(例えば傍脊椎腔や腋窩静脈)をだしているかなんです.硬膜外麻酔のときに脊椎をイメージするように,各部位の解剖をイメージしてプローブをあてるとよいですよ.

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